竈門炭治郎(かまどたんじろう)

 

竈門炭治郎の読み方は、かまどたんじろう。
竈門炭治郎は、漫画・アニメ「鬼滅の刃」の主人公である。

 

心優しい少年。
鬼となった妹(竈門禰豆子)を人間に戻すことと、家族の仇討ちのため鬼狩りの組織である鬼殺隊に入る。
嗅覚に長けており、鬼や相手の急所などの”匂い”を嗅ぎ分けることができる。

 

プロフィール

CV 花江夏樹、佐藤聡美(幼少期)
階級 癸→庚(遊郭編以降)→丙
誕生日 7月14日
年齢 物語開始時13歳→修行後(鬼殺隊入隊時)15歳
身長 物語開始時156cm→修行後(鬼殺隊入隊時)165cm
体重 物語開始時53kg→修行後(鬼殺隊入隊時)61kg
出身地 東京府 奥多摩郡 雲取山(現:東京都西多摩郡雲取山)
趣味 頭突き、掃除
好きなもの タラの芽

 

概要

吾峠呼世晴による漫画「鬼滅の刃」の主人公・竈門炭治郎。
遍く万象を照らす日輪を心に宿した少年・竈門炭治郎。
竈門家の長兄(竈門炭治郎)として、父炭十郎亡き後の家族の大黒柱となって家業である炭焼きを営み、つつましくも幸せな生活を送っていた。
しかしある日、いつものように麓の町へと炭を売りに降り、いつものように山の家へと帰ろうとした夕暮れ、知り合いの老人である三郎爺さんに引き止められる。

 

曰く、「日が暮れると人喰い鬼がうろつき出す」と。

 

孤老が寂しさ故に御伽噺を口にして自分を引き止めたのだと思い、素直にその家に泊まった翌朝。
果たして、炭治郎の家族は惨殺され、唯一身体に温もりを残していた妹の禰豆子は人喰い鬼へと変貌させられていた。
妹(竈門禰豆子)を人間へと戻すため、また家族の仇を討つため。
血風吹き荒ぶ中、今宵もまた炭治郎は鬼滅の刃を振るう──。

 

人物

泣きたくなるような 優しい音がする。
長男としての責任感を強く持ち、非常に心優しく、また生真面目にして快活。
炭焼きを営んでいた頃から麓の町人たちに信頼され親しまれていた。
鬼狩りの剣士となった後もその優しさは変わらず、出会ったばかりの我妻善逸が空腹と知れば一つしかないおにぎりを差し出し、藤の家で何かと挑発する嘴平伊之助に鷹揚に譲り、師である鱗滝左近次にも礼儀正しい。
許婚者を鬼に殺された一般人の憤りを受け止めたことがあるが、炭治郎自身もわずか13歳にして、母と弟妹たちを、たった一人その手で埋葬した過去を持つ。

 

その人食い鬼に対し刀を振るうが、死に際の悔恨と悲哀には慈悲をもって接し、鬼を「醜い化け物なんかじゃない、鬼は虚しい生き物だ、悲しい生き物だ」と説く。
これは鬼を「〜匹」ではなく「〜人」と数えることなどからも窺える。
そんな思いやりが強すぎる故にやや決断力に欠ける面があり、鱗滝からも当初より指摘されていて、炭治郎本人も自覚している。

 

天然な部分も多々見られ、加えて時代や環境的な信心深さもあって、初めて見た汽車をその土地の守り神と勘違いしたり、音宇髄天元が“神”と自称した際に「具体的には何を司る神なのか」と素で訊ねたり、埋葬の概念がないらしい伊之助が手伝いを断るのに「傷が痛むなら休んでいればいい」と返したりなど例を挙げれば枚挙に暇がない。
正直が過ぎて嘘が下手であり、無理に吐こうとすると辛すぎて変顔になってしまうほか、他人への説明や指導も相手が困惑するレベルで低い(これに関しては恋柱も同レベルだが)。

 

また一方で、石頭で頑固で融通がきかず、納得のいかないことがあると相手が誰であろうと反発し、決して引き下がらない。
柱合会議の場で禰豆子が風の不死川実弥に日輪刀で傷つけられたときは激怒して頭突きを食らわし「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないのならなんてやめてしまえ!!」と言い放ったほど。
鬼への反感がひときわ強い不死川とは特に相性が悪く、この後も逆鱗に触れ大乱闘となり接触禁止令まで出されることとなった。
無論、これらは煽りや皮肉では無く、悪意や他意は一切無い。
正論であるが故に、割り切れぬ事情を抱えるものの地雷を踏み抜くという齟齬を生んでしまっている。
更には、対人関係にいささか問題のある冨岡義勇に同調した挙句、兄弟子ともども遺恨を深めたりするため、陽のコミュ障とも言われている。

 

反面、それが功を奏し、出立の挨拶に際し素っ気なく別れの言葉を繰り返す栗花落カナヲの頑なな態度を根負けさせた結果、彼女の心を開くきっかけにもなった。

 

この他、蝶屋敷での機能回復訓練(リハビリ)に善逸が下心満載で挑むのに、訓練の動機として不純だとテンションを落とす堅物だが、珠世、胡蝶しのぶ甘露寺蜜璃と美しい女性を前に顔を赤らめる年相応の男子らしい面もある。

 

容姿

外見的特徴としては、髪や瞳に赤が混じっており、火仕事をする家に生まれると縁起の良い“赫灼(かくしゃく)の子”とされる。
また、左額に大きく目立つ赤い痣を持つ。
身長はやや低めに見えるがこの時代にしては高い方。
物語開始時点では、幼少時に弟(竹雄)が転ばせた火鉢から彼を庇って負った火傷の痕であったが、鬼殺隊士の最終選別において、同じ部位に重ねて傷を負った事で更に濃いものになった。

 

炭売りをしていた頃は結えるほどの長さだったが、冨岡の襲撃から禰豆子を庇った際に断髪。
その後、2年に渡る鱗滝の修行期間でかなりの長さに伸びたが最終選別前夜に切り整え、現在の髪型に落ち着いた。
その最終選別では鱗滝と同じ雲模様が入った羽織に、厄除けの狐の面をつけた出で立ちで臨んだが、普段の羽織は緑と黒の市松模様であり、鬼殺隊入隊後も指定の隊服の上から着用している。
その他、両耳に旭日の模様があしらわれた花札のような耳飾りをしている。

 

竈門家(かまどけ)

家族構成

父:炭十郎(たんじゅうろう)(CV:三木眞一郎)
母:葵枝(きえ)(CV:桑島法子)

 

長男:炭治郎
長女(長妹):禰豆子(ねずこ)(CV:鬼頭明里)
次男(長弟):竹雄(たけお)(CV:大地葉)
次女(次妹):花子(はなこ)(CV:小原好美)
三男(次弟):茂(しげる)(CV:本渡楓)
四男(三弟):六太(ろくた)(CV:古賀葵)

 

先祖:炭吉(すみよし)・すやこ・すみれ

 

炭治郎は六人兄弟の長兄。

 

第一話の時点で、病弱だった父・炭十郎は既に他界しており(作中の会話からして、亡くなってからさほど月日は経っていない模様)、炭治郎が炭売りで家計を支えていた。
また、炭治郎が幼少の頃は祖母も存命だったことが回想で確認される。
家督を継ぐ男は代々「ヒノカミ神楽」を会得しており、その儀式の後は、母と父が煎餅を焼いてくれるのが楽しみだった。

 

能力

嗅覚

生来より嗅覚が人並みはずれて鋭敏で、獣並みの鋭い嗅覚で生物や植物の持つ匂いを嗅ぎ分け、失せ者を見つけ出し、鬼の接近を察知することができる。
“育手”である鱗滝左近次老の元での二年間の修行の後は更に磨きがかかり、戦いにおける必殺の間合いを“隙の糸”として嗅ぎ取れるようになった。

 

その嗅覚は心理的な要素にまで及び、上述のような必殺の間合い、相手の人柄や言葉の虚実などの感覚的な判断をする事もできる。
なお、鬼は強力になえばなるほど強い腐臭がするようである。

 

身体能力

元より空気の薄い山頂で炭焼きとして暮らしており、一般人としては身体能力も比較的高い少年であったが、更に圧倒的に空気の薄い狭霧山での厳しい修行により、“全集中の呼吸”を身に付けた(後の機能回復訓練において心肺を著しく増強させ、全集中の呼吸・常中も体得)。
戦闘中の観察眼も高く、機転も利く。加えて軽度の骨折であれば当日から日常生活が送れ、数日後には鬼狩りも行える(というより、行わなければならない)ほど頑健。
炭治郎の身体も既に歳相応のそれではなく、その手は分厚く傷だらけで、とても少年の手とは思えないほどに硬く鍛え上げられている。
とはいえ、あくまでも鬼殺隊士は人間であり、ほとんど不死身の鬼に対して傷の治りも遅く、手足を失えば戻る事もないため、炭治郎は常に嗅覚による索敵と用心深さをもって鬼と対峙する。

 

当初の経験不足を補った石頭(物理)も特徴である。
鬼の禰豆子の頭を怪我させ、大木に頭突きを繰り返していた伊之助を昏倒させ、元である煉獄槇寿郎を倒してしまうなど、戦闘力として侮れない(これを見た煉獄千寿郎から、「頭突きはやめたほうがいい」と真顔で制止された)。
日陰になりがちだが精密な投擲能力と強肩も持っており、初邂逅時に義勇から禰豆子を助けようと、自身は斬りかかるふりをして相手の気を逸らし、その直前に上空に投げた斧が時間差で奇襲をかけるよう仕組むという離れ業を瞬時にやってのけ義勇を驚愕させた。
無限列車篇では、日の出を察して退散しかけた猗窩座に対し、日輪刀を心臓目掛けて擲ち一直線に貫通させる。
最終決戦でも、殉職した一般隊士の日輪刀を投げて鬼舞辻無惨の脳天を串刺し、さらに足止めに幾振りもの日輪刀をダーツか投げナイフのように投げ放って牽制する場面があり、強肩設定を再確認することになった。
しかもどのシーンでも、日輪刀は一直線に投擲されている。
重心が先端にない、しかも反りのある日輪刀を直線軌道で投げて当てる辺り、もはや天賦の才というべきか。
世が世なら、スポーツ選手として大成したかもしれない……。

 

長男力

初期は鬼狩りの任務中に大怪我を負う場面が目立ち、『俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった』と忍耐力を維持させ戦闘を乗り切るほど、炭治郎にとって己に根差すものである。
家父長制の根強い大正の時代であり、炭十郎亡き後は実質的父長として支えていた矢先の襲撃で家族を失ったこともあって、唯一生き残った肉親の禰豆子を自らの命よりも大切と言い切っている。

 

鱗滝の暗示のことは、禰豆子が一度でも人間を襲えば討伐対象となると理解した上で、妹当人の意思を無視するようで嫌だった、と珠世と愈史郎の前で本音を洩らした。
これは那田蜘蛛山で絆に惹かれた累に「妹をよこせ」と要求され激昂して拒否した時に「妹は渡さない」ではなく「禰豆子はものじゃない」と答えているのが特に顕著である。
当然ながら愈史郎の初対面時の暴言には断固異を唱えていた。
炭治郎の鬼に対するスタンスの根底には常に鬼化した妹のことがある。

 

かまぼこ隊の中では生まれ月では最年少でありながら、往来で一般女性に縋りつく善逸を「なんでそんなに恥を晒すんだ」と叱咤し、猪突猛進の伊之助にサポートや連携の大切さを実践で教えるなど立ち位置も長男である(ただし、炭治郎も上述のような天然であるためボケも多い)。
また鼓屋敷で出会った兄妹達を落ち着かせて対処させ、蝶屋敷の三人娘にも慕われ訓練に協力してもらうなど、年下の子供の扱いに長けている。

 

柱稽古編では上述した家業の関係もあってか、火の扱いが上手く料理が得意なことも発覚。そのため他の隊士からは長男を通り越して「お袋」の渾名で呼ばれているとも(だが深読みすれば、鬼によって家族が犠牲になったものが大半であろう鬼殺隊の中で、そのほのぼのとした呼称は実は軽々しいものではないかもしれない)。

 

全集中 水の呼吸

“全集中の呼吸”は師である育手もしくは剣士自身の我流により、様々な種類が存在する。
炭治郎は元水鱗滝を師として、“水の呼吸”を習得した。この流派はその名の通り、水の如く千変万化に戦況に対応する為、理論上、対応できない敵は存在しない。
なお、炭治郎自身は刀身の色から鑑みるに適正は薄く、“極み”には至れ無いとのこと。

 

壱ノ型〜拾ノ型

左近次爺が教え子の剣士に伝え、継承させる技。詳細は水の呼吸の項を参照。
更に炭治郎は、これら十種の型を即興で組み合わせ、独自にアレンジした技を編み出している。

 

漆ノ型 雫波紋突き・曲(しずくはもんづき・きょく)

最速の突き技である漆ノ型を、直線ではなく斜めから曲線で突くことで、敵の攻撃の威力を和らげて止められる発展技。

 

参ノ型+陸ノ型 ねじれ渦・流流(ねじれうず・りゅうりゅう)

水流のごとく流れるような足運びで回避と攻撃を合わせた参ノ型と、上半身と下半身を強くねじった状態から勢いを伴って斬撃を繰り出す陸ノ型を組み合わせることで、相手の攻撃をいなしながら距離を詰められる技。

 

弐ノ型・改 横水車(よこみずぐるま)

本来は垂直方向に身体ごと一回転しながら斬りつける水車を、水平方向に回転しながら斬りつける形に改式した技。

 

ヒノカミ神楽の呼吸

竈門家に代々伝わる厄払いの神楽とそれを舞う為の呼吸法。
炭治郎は火を扱う炭焼きの家系として、ヒノカミ様に奉納するための舞いと認識・習得していたが、日輪刀と組み合わせて振るう事により、強力な技を発動できる。
しかし、比例して使用者には大きな負担が掛かり極度の疲労を伴う。
始まりの呼吸の剣士の刀身の色彩と揃いであることから適正があるとの仮説が立っていたものの、呼吸との相関が不明であり確証は無く、炭治郎自身の肉体が要求される水準に至っていない事も含め、使いこなせているとは言い難い状態である。

 

炭治郎は耳飾りの剣士の夢を見ている。
それは小鉄によると記憶の遺伝というものらしい。
炭治郎と同じ耳飾りをした彼は、竈門家と深い繋がりがあるように思われるが…。

 

水の呼吸とヒノカミ神楽を合わせた呼吸

上弦の陸との死闘の中において負傷と疲労で極限状態に追いやられた炭治郎が即興で生み出した呼吸。
前任たちがそうであったように自身に合わせた呼吸と剣技、自分の力を最大限発揮できる力を暗中模索する過程で生み出したもの。
この二つを併用することで水の呼吸以上の攻撃力とヒノカミ神楽の呼吸の疲労を軽減した特徴を持つ。

 

総合的に見て、平隊士という扱いだが柱稽古も通常隊士の半分以下の日数で途中リタイアも多い中、全て合格している。
『痣』の事もあるが、一部の例外を除いて、戦力的にも、人格的にも『』から一目置かれるようになっており、実際の階級よりも隊内での評価は高い。

 

ただ、炭治郎の場合、それらは年単位の修行や訓練で培ってきたものであり、剣士や呼吸の才に格別恵まれていたわけではない。
そして炭治郎自身、力試しや最強の称号、または立身出世を望んでのことではなく、「妹を元の人間に戻す」、ただその一念で身に付ける必要があった強さであり、根本は家業を継いで家族と穏やかに暮らす事に幸福を見出す普通の少年であることを付記する。

 

装備(鬼殺隊支給)

鬼殺隊士として、日輪刀と隊服を支給される。

 

日輪刀

「色変わりの刀」とも呼ばれ、最初に握った剣士の"呼吸”の適正に合わせて刃の色を変える。
炭治郎の刃の色は、漆黒。
黒色はどの系統に適正があるのか不明であり、柱に至った人間はいないとされる(炎柱・煉獄杏寿郎曰く、「キツい」)。

 

鍔の形状は剣士によって異なり、炭治郎は車輪かはたまた太陽の形を思わせる、放射状の透かしが入った円形を用いる。

 

零代目

師である鱗滝から借用した日輪刀。
刀匠は不明。この刀で最終選別を生き残り、手鬼を討伐した。
最終選別終了後は鱗滝に返却されたと思われる。
炭治郎の使用した日輪刀で唯一刀身が青い(アニメによると、最初に握った剣士が炭治郎では無く、水の呼吸に適正のある鱗滝だからと考えられる)。

 

初代

鬼殺隊の最終選別突破時に、炭治郎が選んだ鉱石から打たれた刀。
那田蜘蛛山での任務において、十二鬼月・累の血鬼術によって生成された鋼糸に対し真正面から打ち込んだ際に折れた。
爆血刀を初めて使用した刀でもある。

 

二代目

那田蜘蛛山戦後の療養・修行中に新たに打たれた。
直後の無限列車における任務において、陽光から逃走する猗窩座の背へと『せめて一撃』と投げつけられ、その意思を“貫き通し”、結果的に紛失となる、刀は最終的に猗窩座の腹いせで粉々に破壊された。

 

三代目

無限列車戦後より。
上弦の陸・堕姫戦において、伸縮自在の断頭刃として迫る錦帯(にしきおび)と何度も切り結ぶ中で、無数の刃こぼれを生じさせてしまったため、以降の任務には使用不能と判断され、破棄された(鍛造し直したのかもしれないが)。

 

四代目

遊郭戦後より。
半天狗の頚を斬り切れず、食い込んだのち、行方が分からず。

 

五代目

元は、戦国時代の鬼殺の剣士が使っていた刀。
絡繰り人形『縁壱零式』の中に秘匿され、400年がたった結果、朽ち果てボロボロになっていた。
それを鋼鐵塚が身と魂を削って研ぎ直し、そこに後述の『炎の鍔』を嵌めて完成させた。
400年前の主を映した刀身の色は、炭治郎が手繰り寄せた因縁か、或いは“最悪の災厄”が招いた因果か、宵闇のように深い漆黒。
加えて刃元には、“滅”の一文字のみが刻まれている――鋼鐵塚が読み解くところ、すべての鬼を滅ぼす、ただその一念をもってして造られた刀だとのこと。

 

隊服

背に“滅”の字が描かれた、黒い詰襟。
特別な繊維でできており、通気性はよいが濡れ難く、燃え難い。
雑魚鬼の爪や牙ではこの隊服を裂く事すらできないほど頑丈。
しかし上弦の鬼の攻撃を防げる装備は実用化されていない。

 

鎹鴉

かすがいがらす。
伝令役として各鬼殺隊士にあてがわれており、どこからともなく現れ、隊士に任務地やその地で起きている怪異を伝える。
名前は「天王寺松衛門(てんのうじ まつえもん)」で、名字まで定められているのは今のところ松衛門のみ。

 

装備(個人所有)

耳飾り

 

花札のような図柄で、日輪が描かれた耳飾り(ただしあくまで「花札のような」図柄であって、本来の花札には日輪の絵は無い)。
竈門家の男子がヒノカミ神楽と共に代々受け継いでいくものであり、先代である父・炭十郎はこの継承を「約束」と語ったが、炭治郎にその意味の詳細は伝わっていない。

 

鬼殺隊において、代々炎の呼吸の柱を輩出してきた煉獄家には、この耳飾りは始源にして至高の呼吸法、“日の呼吸”の使い手を示す物であるとのみは伝わっていたが、やはり依然に仔細不明。
鬼の原種にして家族の仇敵たる鬼舞辻無惨は、この耳飾りに見覚えがあるようだが……?

 

背負い箱

鬼となった禰豆子を日光から護りながら運ぶために、鱗滝が作ってくれた頑丈な箱。霧雲杉という非常に軽い木で作られており、岩漆を塗ったことで強度も上がっている。
通常、禰豆子はこの中で身体を縮ませて眠っているが、兄に危機が迫ると箱から飛び出して戦列に加わり、暴風の如く鬼の剛力を振るう。

 

採血の短刀

浅草での任務後から所持。医者である逃れ鬼の珠世から鬼の“治療薬”研究の依頼を受けて渡される。
突き刺した鬼(の骸)の血を自動で吸い取り、柄の部分に貯めておく事のできる特殊な構造で愈史郎制作。
頚を落とした鬼の身体が灰化するまでのわずかな間に、この短刀を投げ刺し血を採取する。
採血後は、何処からか現れる遣い猫・茶々丸によって、協力者である彼女のもとへ届けられる。

 

炎の鍔

無限列車での任務後から所持。最後の炎柱の日輪刀の鍔。
熱く強い心がこもった御守り。
炎柱の家族の望みで、炭治郎が譲り受ける事となった。

 

無限城決戦編

無惨の手で仲間と分断された状態で無限城へと落とされた彼は、下弦程度の力を与えられた雑魚鬼や煉獄の仇たる上弦の参…猗窩座を、同時に城内へ落とされた義勇と共に撃破する。

 

その後、鳴女の空間転移によって繭から覚醒した無惨の元へ送られ、遂に憎き仇敵と対峙する。

 

これまでの己の極悪非道な所業を微塵も省みる事無く、それどころか炭治郎たち鬼殺隊を「異常者の集まり」とのたまう無惨に、炭治郎の怒りは頂点に達した。
無惨の予想を遥かに上回る圧倒的な強さに義勇共々窮地に追い込まれるも、駆け付けた蜜璃と伊黒に助けられ、更に鳴女の視覚を乗っ取った愈史郎によって無限城は崩壊。無惨との決戦は市街地に移動する。

 

集結していく柱の姿を見て自分も少しでも役に立とうとする炭治郎だが、無限城内で無惨に斬られた右目から入り込んだ無惨の血液に細胞を破壊され、瀕死の状態となってしまう。
村田ら生き残った隊員達から救命措置を受ける中、炭治郎は再び夢を通じて先祖から遺伝した記憶を垣間見る。

 

無惨の全方位攻撃で仲間達が戦闘不能にされ、幸運にも直撃を受けずに済んだカナヲもあわや絶体絶命というその時、右目が腫瘍の様に膨れ上がった状態ながらも炭治郎が復活。
「ヒノカミ神楽 輝輝恩光」を使い、カナヲの危機を救った。

 

ヒノカミ神楽の最後の型である十三の型の真実を、夢を通して見た先祖の記憶で知った炭治郎は無惨へ猛攻を仕掛ける。
当初は余裕に構えていた無惨だったが、珠世の薬の追加効果が次々と表れ始めた事、重傷を負わされながらも立ち上がった隊士達の命を賭した追撃が加わった事、そして左腕を斬り落とされながらも無惨を逃がさないよう(義勇に支えられながら)刀を突き立てた炭治郎の決死の行動がとどめとなり、ようやく昇った朝日から身を隠す事も出来ず、陽の光に灼かれて消えていった。

 

 

 

 

 


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