胡蝶しのぶ(こちょうしのぶ)

 

プロフィール

階級 (蟲柱)
誕生日 2月24日
年齢 18歳
身長 151cm
体重 37kg
出身地 東京府 北豊島郡 滝野川村(現:北区 滝野川)
趣味 怪談話
好きなもの 生姜の佃煮
CV 早見沙織

 

概要

吾峠呼世晴による漫画「鬼滅の刃」の登場人物。

 

鬼殺隊の隊士の一人で、隊の中では「」と呼ばれる最上級剣士。
「蟲」の二つ名を有し、竈門炭治郎が、水柱と冨岡義勇の次に出会った2人目の柱である。
不死に近い人喰い鬼の数少ない弱点である、藤の花から精製した特殊な毒によって鬼を滅殺する。

 

容姿

容姿は、我妻善逸曰く、「それ(顔立ち)だけで食べていけそう」なレベルの美人。

 

体格に関しては、設定身長151cmに対しての37kgという体重はBMI値が16となり、標準値(BMI22)の体重約50kgから考えるとかなりの低体重である。

 

しかし現代でも一部のモデルや芸能人の値でこれに近い者もいるのであり得ない数値ではない。
更にBMIが低くても、体脂肪率によっては痩せすぎとはならない場合もある。
また、作中の舞台である大正時代は現代に比べ栄養価の高い食品が少なく、高カロリー・高タンパクを摂取できる洋食などは台頭し始めたばかりのためハイカラで珍しいとされている。

 

 

人物

微笑みを絶やさず、平時には丁寧な口調で「人も鬼も仲良くすればいいのに」と口にし、鬼を前にしても「和解」の言葉を紡ぐ平和主義者のように振舞う。
しかし、彼女の提案する「和解」は目玉をほじくりだしたり、内臓を引き摺りだしたりという凄絶な拷問に耐え、罪を償ったならばという、如何に不死の鬼といえども受け入れ難い条件を伴ったものであり、実質的に挑発に過ぎない。
この和解の条件は、その苛烈な内容に反して鬼に対してにこやかに告げられていたため、しのぶはおよそマトモじゃない人格者の様に思われていた。

 

しのぶがこのような言動をするようになったのには、実姉である胡蝶カナエの存在が深く関係しており、彼女が鬼を哀れみ鬼との友好を信じていたことに派生している。

 

鬼殺隊を支える女傑

後述の通り、柱として多くの鬼たちを滅殺し、鬼に有効な毒の開発、隊士たちの治療、訓練などの後方支援を担うなど他の柱たちと比べてもその役目は多岐にわたっている。
彼女がいなければ多くの隊士たちが命を失っていたため、鬼殺隊に無くてはならない女性である。

 

柱として

剣士としての実力は最高位に相応しいレベルにあり、前線での指揮官としての手腕も一流。
小柄な体躯故に鬼の頚を落とすことが叶わないが、鬼を殺す毒を開発して、柱にまで上り詰めている。
継子の育成(全員女性)にも携わっていたが、現在は、栗花落カナヲ一人残すのみで、姉の用いていた流派である花の呼吸を教授している。

 

医者として

両親が薬の調合をする仕事をしていた彼女は己も医学・薬学に精通し、負傷した鬼殺隊士たちを自身の私邸「蝶屋敷」にて治療を施している。
那田蜘蛛山において兄蜘蛛の血鬼術によって人面蜘蛛に変えられてしまった隊士たちを発見してすぐに診察し、即座に薬を調合するなど鬼殺隊専門の医者。

 

その柔和な笑みと物腰から多くの隊士に慕われ、上述の人面蜘蛛にされた人々を治療する様子を見た善逸は女神のようだったと述べている。
また治療のみならず、藤の花を精製し、鬼を滅殺できる特殊な毒、鬼に対する武器を開発しており、後に珠世と共同開発を行う。

 

後方支援

上述のように剣士であり医師であるため鬼を滅殺しだい他の隊士たちの治療にあたるため、事後処理部隊の「隠(かくし)」から指示を仰がれることが多い。
面倒見がよく、人に教えることに長けており、炭治郎善逸伊之助らが蝶屋敷の機能回復訓練を経て呼吸法を修得する時も一役買っている。
訓練の一環で同世代の女性であるカナヲに敗北し続け、意気消沈して訓練を休むようになった炭治郎以外の二人に対して、伊之助には、「できて当然だけどできなくても仕方ない」とあおり、善逸には「善逸君を一番応援している」とおだてて訓練を再開させるなど人心掌握にも長けている。

 

 

過去

両親の仇討ちのため鬼殺隊へ

カナエとしのぶは幼い頃に鬼に襲われ家族を殺されており、胡蝶姉妹は間一髪のところ、悲鳴嶼行冥に命を救われている。
小説版第2巻「片羽の蝶」によると、隠によって親戚のもとへと送られ、悲鳴嶼のお蔭でそれほど破壊されなかった両親の亡骸を納棺した後に、姉妹は隠から命の恩人の名前と住まいを聞き出し、鬼殺隊に入隊するために押し掛け弟子となり、家事手伝いを行う。
両親の仇を討ちたいと熱望する二人に、親戚のもとで娘らしい暮らしを送ることこそが幸せだと悲鳴嶼は諭すが、姉妹は頑として聞き入れず、根負けした悲鳴嶼が二人に試練を課している。
その後、姉妹は最終選別を潜り抜け、鬼殺隊に入隊する。
生前の父親から「重い荷に苦しんでいる人がいれば半分背負い、悩んでいる人がいれば一緒に考え、悲しんでいる人がいればその心に寄り添ってあげなさい」と姉妹はよく言いつけられていたことから、悲鳴嶼は2人の両親が優しく勤勉で誠実、そして娘たちを慈しんでいたことを察する。

 

最愛の姉の死

「人と鬼は仲良くするべき」というのは元々は姉の言葉である。
しかし、作中の四年前、しのぶが14歳の時、その強さと優しさを兼ね備えた姉さえもまたとある上弦の鬼の手にかかり、しのぶの目の前で事切れるという最期を迎えた。
愛してやまない姉が無慈悲に鬼に殺され、亡くなる姿を見てしのぶの心は怒りと悲しみに引き裂かれたのである。

 

カナエが17歳で亡くなる直前にしのぶへ遺した言葉は、鬼殺隊を辞めて普通の女の子として長く生きてほしいというもので、かつて悲鳴嶼が姉妹に諭した言葉だった。
しかし、しのぶは決して鬼殺隊を辞めず、やがて藤の花の毒を開発しかつての姉と同じ柱になる。

 

しのぶの『笑顔』

カナエの葬儀以降、しのぶはいつも笑顔を浮かべるようになる。
しのぶの笑顔は、姉が自身の笑顔を好きだと言ってくれたこと、そしていつも優し気な笑みを浮かべていた姉に起因するのだが、それは心からの表情ではない。
穏やかな笑顔の下には、常に鬼に対する激しい「怒り」と「憎しみ」が渦巻いているのである。
鬼を憎む気持ちを隠して姉の理想を追いかける、という相反する複雑な心持ちのまま、微笑みの仮面をかぶり続けることで、しのぶの精神は疲弊してしまっている。
鬼と仲良く、と言った口で、鬼にとっては惨いとしか言い様のない和解方法を和やかな表情で話すのは、このような経緯の末に生じたのであろうと思われる。

 

それゆえ鬼に対し哀れみの心を忘れない炭治郎には、「自分の代わりに君が頑張ってくれていると思うと私は安心する 気持ちが楽になる」と自身の胸中を吐露し、「頑張ってくださいね どうか禰豆子さんを守り抜いてね」と生前の姉の願いと自らの想いを託した。

 

本来のしのぶ

単行本7巻での番外編にてカナエ存命中の時系列での胡蝶姉妹と後に継子となるカナヲとの出会いが、同じく番外小説「片羽の蝶」では鬼殺隊に入る前の彼女が書かれた。
この時のしのぶは現在とは対称的に、常に眉間にしわを寄せてしかめっ面をしており笑うことはあまり無く、名前も付けられず縄で連れられるカナヲを見かねた姉の意を汲み、金銭を路上にばら撒くことで人売りの気を引いてカナヲを連れ去るという大胆かつ直情的な行動をとっており、これが“本来の性格”と思われる。

 

なお、もっと幼い頃は両親が大好きで甘えん坊だったとカナエ談。
苦手なものは犬や猫などの毛の生えた生き物とのこと(アニメ版21話『大正コソコソ噂話』より)。

 

能力

身体能力

小柄な体躯故に筋力が足りず、自らを「の中で唯一、鬼の頚が落とせない剣士」と語るが(余談だが身長、腕相撲ランキング共に柱の面子の中では最下位である)、振る筋力が弱い反面、押す・突く筋力がズバ抜けて強い。
その威力は岩を貫通する程であり、"水の呼吸"最速の技「漆ノ型 雫波紋突き」よりもさらに速いとされている。

 

全集中 蟲の呼吸

体格に恵まれない女性であるしのぶは、上述の通り鬼の頚を落とすには斬撃の重さが足りないが、幻惑的な脚運びの“蟲の呼吸”により、毒に濡れた刃を振るう。
その戦い方たるや、まさに「蝶のように舞い、蜂のように刺す」である。
なお呼吸法は、姉が用いていた花の呼吸(水の呼吸の派生)から更に自身に適したスタイルへと派生させた、独自の流派である。そのため、技名が伊之助同様「〜ノ型」ではない。

 

藤の花の毒

藤の花から精製した毒は鬼に有効な猛毒であり、鬼の頚が斬れないしのぶの最大の武器である。
本来ならば日光と日輪刀による斬首でしか滅殺できない鬼を殺せるように藤の花から抽出、調合した特別製。
しのぶはこの毒を何種類も調合・用意しており、後述の日輪刀に仕込んで鬼の強さや性能によって的確に使い分けている。この独特の戦法から、一部の者はしのぶを「毒使い」と呼ぶ場合もある。

 

装備

鬼殺隊士の基本装備として日輪刀と隊服を支給され、鎹鴉を宛てがわれている。

 

日輪刀

しのぶの日輪刀は、刀鍛冶の里の長である鉄地河原鉄珍が自ら製作した一刀。
切っ先と柄付近を残して刃の部分を大きく削ぎ落した細剣のような特殊な形状をしている。
刃の面積が小さいため、「惡鬼」「滅殺」の文字は刃の根元両面に分かれて彫られている。
鍔は蝶の羽を思わせる、巧みな意匠。
また、鞘に収めることで仕込む毒を変えたり調節できるからくり仕掛けにもなっている。
この仕組みは、しのぶと担当の刀鍛冶の人(鉄地河原鉄珍)しか知らないらしい(アニメ20話『大正コソコソ噂話』より)。

 

また、日輪刀かは不明だが草鞋の裏にも小刀を仕込んでいる。
なお、アニメ版やカラーから分かるが柱で唯一鋼色の刀身であり色変わりをしていない描写がある。
毒殺を主戦法としそれに特化している形状からも材質等で薬物耐性や浸透性等を考えると他の日輪刀と同素材とは考えづらく、何らかの鍍金処理ないし材質から異り厳密な意味において日輪刀では無いのかもしれない。
一応、日輪刀の色は藤色と言う設定になっている。

 

隊服

他の柱や鬼殺隊と同様の黒い詰め襟を、しのぶのサイズに合わせて作ったものを着用。
実は当初は、甘露寺蜜璃と同様の露出度が高い隊服をゲスメガネから渡されていたが、当然着用せず前田の目の前で油をかけて火をつけ、燃やした。
以来、しのぶは蝶屋敷の女子隊員たちには、ゲスメガネへの対策として油とマッチを持たせている。
余談だが、彼女は小柄な割に結構メリハリのある体をしており、着ていたら似合ってはいたかもしれない。

 

羽織は蝶の紋様が描かれたもの。小柄なしのぶにはやや丈が合わず、彼女の回想でカナエが身につけていた姉の形見である。

 

鎹鴉

原作・TVアニメとも未登場(那田蜘蛛山にて竈門兄妹を連れ帰るよう伝令した鎹鴉が義勇の担当ではなかったため、消去法で彼女の鴉である可能性が高いが明確な描写はなかった)だったが、劇場版にて無限列車の被害報告をする姿が見られた。

 

対人関係

炭治郎と禰豆子

竈門兄妹との出会いは那田蜘蛛山での討伐任務の時で、当初しのぶは禰豆子が義勇を襲う鬼と勘違いし、襲い掛かるも義勇に止められる。
柱合会議で詮議にかけられた時も、口下手な義勇に代わり竈門兄妹のフォローにまわり、禰豆子の生存が公認となった後は蝶屋敷に保護している。
鬼に対しても慈悲の心を持つ炭治郎と、人を襲わない鬼である禰豆子というカナエの生前の願いを体現した兄妹の存在にしのぶは救われている。

 

嘴平伊之助

山育ちの野生児ゆえに人間としてのルールやモラルを知らない伊之助を笑顔で叱っており、伊之助もしのぶには逆らえない。
伊之助に言い聞かせるためにしのぶは指切りの歌をよく歌い、伊之助は朧げな母の記憶と重ね、「自分の母親なのでは」と勘違いしていたためしのぶの名前を間違えずに読んでいる。
伊之助としのぶは歳が3歳差のため母子などあり得ないが、伊之助が動物基準で考えていた可能性がある。

 

蝶屋敷の“妹たち”

柱には各々屋敷が与えられ、しのぶはかつて姉の花柱・カナエが主人を務めた蝶屋敷を、姉の死後14歳で受け継ぎ、自身が蟲柱となった後もそのまま使用している。
鬼によって家族と家を失った幼い少女たちや、前線を離れた元少女剣士の神崎アオイに薬学や治療の仕方を伝授し、看護師として屋敷に住み込みで働く彼女たちを実の妹のように可愛がっている。
親に虐待を受け、自分の意思で物事を決めないカナヲの身を案じていた他、カナヲが鬼殺隊に入ろうとした時は姉と共に反対していた。
以前はカナヲ以外にも継子が少なくとも三人以上いたが、鬼との戦いで殉職している。

 

冨岡義勇

同じ柱であり同じ任務に就くことが多々あるためか、しのぶは義勇に協力的な面があり、口数が少なく言葉が足りない故に盛大に誤解される義勇をフォローしている。
しのぶは義勇のことを「天然ドジっ子」と思っており、無口で天然の義勇と笑顔で毒舌のしのぶの二人は、傍目に美男美女でありながらコントのようなやりとりとなる。

 

悲鳴嶼行冥

同じ柱であり、幼少期のしのぶとカナエを救った命の恩人。
当時、過去の一件から人間不信な所のあった悲鳴嶼のもとへと姉妹で押しかけていた。
カナエ曰く、しのぶはまだ十代だった悲鳴嶼を「おじさん」呼びしていたとのこと。
悲鳴嶼からは当初、普通の女性として生涯を終えるよう諭されていた。

 

 

 

 

 


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