甘露寺蜜璃(かんろじみつり)

 

甘露寺蜜璃は、漫画・アニメ『鬼滅の刃』の登場人物の一人である。

 

プロフィール

階級 (恋柱)
誕生日 6月1日
年齢 19歳
身長 167cm
体重 56kg
出身地 東京府 麻布區 飯倉(現:港区 麻布台)
趣味 料理、メンコで負け知らず
好きなもの 桜餅
CV 花澤香菜

 

概要

吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』の登場人物。

 

鬼殺隊の頂点に立つ剣士“”の一人。
「恋柱」の二つ名を持つ美貌の女傑。
柱合会議の場において、鬼である竈門禰豆子及び彼女を連れていた兄の炭治郎の処遇について他の柱の多くが即殺処分を訴える中で、結論を急がないよう諭し、穏和で思慮深い姿勢を見せていた。

 

容姿

生来は黒髪であったが、好物の桜餅をあまりにも大量に食べ続けたため、十歳頃には頭頂から肩口までは桜色、そこから先に行くに連れて黄緑色へと変色していくという、珍妙な髪色に変わっていたというトンデモ体質その二な人(その一はこの人)。
この現象を空想科学研究所KUSOLABが検証した。

 

当時の女性としてはかなりの長身女性。
また、大きく胸元が開いた隊服からも解るとおり、大変立派なものをお持ちであり、それ故に読者の一部から「乳柱」と呼ばれていた事も。

 

両目の下、頬のやや上辺りに揃いのホクロがあるが、よく頬が紅潮してる事が多い為あまり目立たない。

 

劇中である大正初期は、江戸時代以前の風習が色濃く残っていたため、女性は小柄で慎ましい体型が良いとされていた。後述の蜜璃の縁談がなかなか進まなかったのは、これも一因と推察される。

 

お察しの通り、作中屈指のお色気キャラであり、色事には鈍い竈門炭治郎に鼻血を出させ、思春期に突入した不死川玄弥は彼女と一言も話すことができなかったほど。
刀匠の里では、まさかの入浴シーンで再登場(しかも髪ブラ)を果たした。

 

人物

たいへんに惚れっぽいらしく、「伊黒さんしつこくて素敵」「冨岡さん一人ぼっちで可愛い」「しのぶちゃん怒ってるみたい、カッコいいわ」等々、周囲の一挙手一投足に逐一キュンキュンときめいてしまうという、謎の乙女チックな感性を持つ。

 

『柱』になった理由を炭治郎に訪ねられ「添い遂げる殿方を見つけるためなの!!」と語っており、結婚相手を探す為だと判明。本人曰く、「自分よりも強い殿方が好き」「でも中々会えないから自分も柱になった」との事。大変適齢期の女性らしい願いだが、殺伐とした作品世界に見合わないこと甚だしくツッコミどころ満載であり、返事を聞いた炭治郎を困惑させた(誰もが同じ反応をしている、との解説付きである)。
また、玄弥に挨拶を無視されただけで乳房が零れ出そうになるほど取り乱して炭治郎に泣きついたり、その後すぐ彼から松茸ご飯が出ると聞いて機嫌を直すなど、一部の例外を除いて寡黙で冷静な性格の多い『柱』の中では珍しく、天真爛漫かつ感情豊かで表情がコロコロと変わる。
柱の例に漏れずぶっ飛んだキャラクターだが、鬼への憎悪に凝り固まった他のメンツと違い、思考が柔軟かつ穏健な優しさの持ち主。

 

実家は五人姉弟であり、柱の中では最も鬼の禰豆子に好意的で、くすぐって遊んだり、頭を撫でたりして可愛がっていた。
禰豆子も彼女に懐いて、炭治郎に彼女と同じ髪型にしてもらうほど。
その為、不死川実弥が弟の玄弥の存在を否定した時には、内心で「怖い」と思いつつ、二人の仲が悪そうなことには表情を曇らせて、心配していた。

 

一方で、上弦の陸を倒して尚生き残った炭治郎を気遣って褒め、「今度また生きて会えるかわからないけど頑張りましょうね」と別れ際の炭治郎に発している。
動機は上述の通りだが、厳しすぎて脱落者が後を絶たない煉獄杏寿郎を師に、柱にまで到達した彼女の努力と覚悟は生半可なものではなく、決して軽薄な思いや楽観だけで生きているわけではない。
心身ともに強い女性であり、戦闘において鬼と対峙した際には「私 いたずらに人を傷付ける奴にはキュンとしないの」と毅然とした態度をとっている。

 

過去

もともと鬼とは無縁の生活を送っており、17歳でお見合いをすることに。

 

しかし生来の体質(詳細は後述)故に大食らいなことや、髪の色のせいで「君と結婚できるのなんて熊か猪か牛くらいだ」「そのおかしな頭の色も子供に遺伝したらと思うとゾッとする」などお見合い相手からまるで怪物であるかのように散々に言われ、破談となる。
それ以後結婚するために、力の弱いフリをしたり、髪の色を染め粉で黒く染めたり、意識が朦朧とするほど食事を我慢するなどして、自分自身に嘘をつくようになり、家族から心配されていた。

 

だが、だんだん自分を騙すことに疑問を覚え、「ありのままの自分ができる、人の役に立つことがしたい」と思い立って、鬼殺隊に入隊した経緯を持つ。
それ以降、様々な背景から実利最優先とする鬼殺隊内において産屋敷や隠の面々などが自身の力を称賛してくれた事や、鬼から助けた人達が涙を流しながら感謝してくれた事も相まって、コンプレックスだった特殊体質についても前向きに捉えられるようになった。
超人であるがゆえに世俗で生きる場所を見いだせなかった彼女だが、皮肉にも超人であるが故に人間性を犠牲にすること無く、健やかな精神で鬼と戦えるのである。

 

余談ながら、嫁入り前の年頃の娘を、生死に関わる『鬼退治』を名目とした政府非公認組織に就職させていることについて、「彼女の実家は軍人輩出系の名家ではないのか?」という考察も一部で出ているが、公式からの設定は今の時点で表明されていない(ただし、彼女の膨大な食費を賄える程度には裕福な家柄であることは、ほぼ間違いないと思われる)。

 

能力

剛力無双

甘露寺蜜璃は変異個体(ミュータント)である。
その体躯を構成する筋繊維の密度は、先天的要因によって常人の八倍にまで達している(公式からの呼称は「捌倍娘」)。一例として彼女が1歳2ヵ月――常人であれば“よちよち歩き始める”頃――に、弟を身籠っていた母を気遣い、四貫(現在の15kg)もの漬物石を持ち上げた逸話を持つ(その際に肝っ玉で評判だった母が人生で初めて腰を抜かした)。
このため、女らしい体型に反して柱の中で腕相撲をした時には煉獄杏寿郎不死川実弥冨岡義勇と同率三位になれる程の力持ちである。
そこから更に鬼殺隊として鍛え上げられ(最終選別を半年で突破という快挙)、柱として死線をくぐり抜け続けてきたその身体は、力を込めれば十二鬼月すら驚愕させるほどの剛(つよ)さと堅さを発揮する。
なおかつ力を抜けば、「女性」としてのしなやかさと関節可動域の広さを見せるという、まさに剛柔一体の理想を体現していると言える。

 

ただし難点として、蜜璃はその異常な筋肉量のせいで通常の生命活動を行うだけで莫大なエネルギーが必要となり、相撲取り3人よりも食が太い。特に劇中の大正日本では、高タンパク・高カロリー食品がほぼ存在しないため、拠点あるいは人里を遠く離れての任務は、かなりの制限を受けると推察される。
そのためか、最近は西洋から伝来したハイカラな洋食がお気に入りで、それもあって食費がとんでもないことになっているらしい。

 

なおこのような体質は、現代において『ミオスタチン関連筋肉肥大』といった遺伝子疾患の一つとして解明が進んでいるが、常人の二倍を越えるレベルで、適切な医学的措置を受けなければ、死に至る可能性が高い。

 

全集中 恋の呼吸

後述する、彼女だからこそ自在に操ることが出来る特殊な日輪刀と、剛力と柔軟さを併せ持った身体を駆使して、まるで新体操のようにアクロバティックな動きから繰り出す斬撃は、元忍の宇髄天元より速く、目で捉える事さえ困難なほど。

 

装備

鬼殺隊士として、日輪刀と隊服を支給されている。
また、伝令及びお目付として宛がわれている担当の鎹鴉(かすがいがらす)は頭部に花飾りのような物を着けており、他の烏に比べると大人しい性格の模様。

 

日輪刀

蜜璃の日輪刀は、刀鍛冶の里の長である鉄地河原鉄珍が打った特殊な『変異刀』であり、その薄鋼は布のようにしなやかでありつつも、達人が扱えば決して折れる事の無い「傑作」の一刀である。
斬断できるのはあくまでも刃の部分だが、甘露寺はこの変異刀をあたかも新体操のリボンのように、軽やか且つ高速で振るう事で、鬼を取り囲んでのオールレンジ攻撃、或いは広範囲全周囲防御を実現する。
刃は桃色(赤系統)に染まっていることから、甘露寺が一刀にして怪異を両断せしめる“炎の呼吸”に適正が高い事がわかる。

 

鍔は四つのハート形の下端が鍔元で重なるような『四葉のクローバー型』という、これもまた日本刀としては特異な形状をしている。

 

※見るからに実現不可能な刀にも思えるが、実在する刀である。
中国における「腰帯剣」、インドにおける「ウルミ」等が存在する。
また、同じジャンプ掲載の人気作品としてはこの人が使う刀も有名。

 

隊服

背に“滅”の字が描かれた、黒い詰襟。
特別な繊維でできており、通気性はよいが濡れ難く、燃え難い。雑魚鬼の爪や牙ではこの隊服を裂く事すらできないほど頑丈。

 

女性が肌を晒すのは「はしたない」とされる大正日本では、甘露寺の着こなしは余り行儀が良いとは言えない。この奇抜な隊服(上述の通り開いた胸元に加え、現代で言うミニスカート)はとある変態の隠が勝手に作って持ってきたものである。本人もこの恥ずかしい服装を疑問に思ったが、隠の自信満々な態度から女性隊士は皆こうなのだろうと思ってしまったらしい(真相を知ったのは、同じく女性隊士である胡蝶しのぶと柱合会議で対面してから)。

 

羽織は無地の白で、師である煉獄からの隊士就任祝いであることが外伝で判明。
同じく編み上げのハーフブーツを履いている姿も描かれた。
この後に伊黒から贈られたニーソックスを愛用し、今のスタイルに落ち着いたと思われる。

 

活躍

刀匠の里が上弦の鬼二体に襲撃されたことで急遽里に戻り、里に常駐する鬼殺隊を瞬殺した金魚姿の化け物たちを一瞬で倒し、柱としての実力の高さをうかがわせた。

 

そして半天狗の分裂体、憎珀天との戦いに参戦。途中一度意識を失うという窮地に陥るも、炭治郎達の助力によって復活。
その後は炭治郎達が半天狗の本体を仕留めるまでひたすら憎珀天と戦い続け終いには「ぎゃあああああ〜〜〜〜〜!!! もう無理!! ごめんなさい殺されちゃう〜〜!!」ともの凄い悲鳴を上げる程追い詰められたが、寸でのところで炭治郎が半天狗の本体を斬った為、憎珀天とその血鬼術である石竜子が消滅。
大急ぎで皆のところへ駆けつけ、勝利と生存を喜びあった。

 

 

 


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