日輪刀(にちりんとう)

 

日輪刀は、漫画・アニメ『鬼滅の刃』に登場する武器である。

 

概要

吾峠呼世晴氏原作の漫画『鬼滅の刃』に登場する、陽光以外で人食いの鬼を倒すことができる唯一の武器であり、鬼殺隊隊士たちの基本装備である。

 

なお、作中の大正時代では廃刀令(明治九年公布)が施行されているため、当然ながら公共施設などでは隠す必要がある。
剣士がこれを怠った場合、状況によっては警官に追われる事もある(とはいえ、常人である警官に捕縛されるようでは鬼殺隊士は務まらないが)。
ただし警官側も、治安維持という職務の性質から鬼殺隊の“事情”をある程度察している者もおり、黙認されるケースもある(『過狩り狩り』より)。

 

特徴

太陽に一番近く、一年中陽の射すという陽光山で採れる猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石から打たれた日本刀であり、日光を浴びる事以外は基本的に不死身である鬼に対して、その頚を斬る事で“殺す”事ができる唯一の武器。

 

色が変わる

別名『色変わりの刀』と呼ばれ、持ち主によって刃の色が変わり、色毎に特性が異なる(また、持ち主の適性を示す)。
例として『全集中の呼吸』の基本となる五つの各流派に対して、

 

・炎の呼吸→赤色
・水の呼吸→青色
・風の呼吸→緑色
・岩の呼吸→灰色
・雷の呼吸→黄色

 

に染まった者が、それぞれ適性が高いとされる。

 

ただし、黒色の刃については前例が少なく、且つ剣士もどの流派に対して適性を持つのかも定かではない。
また、色が上述した五つの色の系統色であっても、必ずしもその流派に対応しているわけではないようで、例として対応色が緑色である風の呼吸の派生霞の呼吸の対応色は白色であったりする。

 

なお、色彩が変化するのは、剣士として一定以上の力量の持ち主の手に渡った、最初の一回限り(制作者である刀鍛冶たちは、剣士ではないので、彼らが触れても色が変わらない)。
そして、他人が使っていた日輪刀を所有しても、その特性は変わらない。
このため、竈門炭治郎が最終選別のために鱗滝左近次翁から借り受けた日輪刀は、翁の適正を映した水色のままとなっていた。

 

原作と共通の設定かどうかは不明だが、アニメ版の那田蜘蛛山編において、平の隊士が使用していた際には刀の色が変わっておらず、この事から、隊士であることと刀の色が変わるほどの技量を持つことは別であると考えられる。
なお漫画17巻で村田が水の呼吸であると判明し同時に日輪刀の色は薄すぎてわからず、型を使った際に周囲に見える水流も薄すぎて見えないということが発覚、もしかしたら上記隊士らもそうなのかもしれない(でも上記に書いてある通り原作とアニメが一緒とは限らないし、根本的に17巻がアニメ放送後に発売されたため情報が共有されていないだけだったのかもしれない)。

 

不可思議な力を秘めた部分もあるが、鬼を殺せるのは頚を斬った時のみであり、四肢などをこの刀で落としても鬼は通常通り超速度で再生する。
また、強度的にはあくまでもただの多々良鉄でしかなく、岩よりも硬い鬼の身体を斬断できるのは、剣士の技量に依るところが遥かに大きい。
ちなみに任務中に折損した場合は、その持ち主である隊士に専属する刀匠により、新たな刀が隊より支給される。

 

赫刀

176話にて明らかになったことで、最初に生まれた全集中の呼吸である始まりの呼吸『日の呼吸』の使い手であった耳飾りの剣士は、黒かった日輪刀の刃を赤く染め上げることができたという。
この色の日輪刀は鬼の再生力を阻害し、突き刺すだけで鬼に強烈な苦痛を与える力を持つ様になる。

 

現代では炭治郎が上弦との初めての戦闘の最中に日之神神楽にのめり込み過ぎた際に無意識に発動させたのが最初であり、後に自身の日輪刀に竈門禰豆子の血鬼術である“爆血”を組み合わせた爆血刀と言う形に類似する現象を生じさせていた。
その為に日の呼吸の剣士のみが使えるものと思われていた。

 

しかし後に鬼舞辻無惨一派の本拠地である無限城での戦いにおいて、時透無一郎・不死川実弥・悲鳴嶼行冥・伊黒小芭内・冨岡義勇の五人が日の呼吸の使い手でないにも関わらずこの刃を発動させている。
発動時には色の以外の変化として灼けるような熱と匂いを発する。
推論になるが、“日輪”刀という名称や『色変わりの刀』と呼ばれる本当の所以はここからきているのかもしれない。

 

実の所、赫刀の発現条件には日の呼吸自体はほぼ関係なく、全集中の呼吸を極め痣が発現し体温が上がった状態で、日輪刀に凄まじい圧力を掛ける事で刀の温度が上昇し発現する物の様である(断熱圧縮、フェイズシフト等の類似する物理現象は存在する。)。
実弥と悲鳴嶼は日輪刀同士を強くぶつけ合った事で、無一郎と伊黒は柄を強烈な握力で握った事で発現させている。
そのため耳飾りの剣士が戦いの際に刀を赤く染めていたのも、彼の肉体が身体活性に特に秀でた日の呼吸に最適であった為、戦闘時に元々発現させやすかったのだと予想される。
なお、一度発動させれば一定時間状態が維持されるようで常時圧力を加える必要は無い。(常時力んで刀を握っていれば手首の柔軟性が損なわれるので剣術に於いて致命的な欠陥となってしまう。)

 

日の呼吸とは無関係でありながら誰も発現できなかったのは、の中でも最も筋力のある悲鳴嶼が痣を発動させた上ですら工夫して発動させる必要がある、など握力だけで発動させる難易度が極めて高い事、縁壱がその超人的な握力で無意識で行っていたため伝えることが出来なかった、などが原因として推測される。

 

形状

完全な実戦向けとして打たれているため、鎬造り(しのぎづくり、刃の断面のぶ厚い頑丈な造り)が一般的である。波紋が無いようにも見えるが刃と刀身が色違いであることからも直刃と呼ばれる形式と思われる(波紋によって刀の切れ味が変化するため素材との兼ね合いの結果の最適解か、単に刀匠の流派がそれなのかもしれない)。
なお、物語りが進むに従い様々な波紋の刀が登場している。
尚、色変わりした刀は性質に差異が生じているのか刀を破損した義勇が同じ水の呼吸の剣士の刀を探している描写がある。

 

しかしながら、刀の鍔や鞘は個々人の裁量で自由な形状、色合いの物が用いられており、中には極めて雅な鍔が嵌められている刀もある。 

 

更に最上位剣士である“柱”は、奇異とさえ言えるほどに日本刀の範疇から完全に逸脱した専用刀を用いる者も、幾人か在席している。また、彼らが使う刀のみ、意匠として鬼殺隊の信念と言える『悪鬼滅殺』の四文字が刻まれている。

 

 

 

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