下弦の伍 累(るい) 

 

漫画・アニメ「鬼滅の刃」の登場人物。

 

概要

吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』の登場人物。

 

鬼舞辻無惨配下の精鋭、
十二鬼月の一人。
下弦の伍」の数字を与えられた蜘蛛鬼。
作中で一番最初に登場した現役の十二鬼月である。
席位に従い左目には「下伍」の文字が刻まれている。
一人称は「僕」、または「俺」。

 

鋼の如き糸を自在に編み張る血鬼術を用いる、白髪の少年鬼。
その糸の硬度は悪鬼を滅殺する日輪刀すら斬断せしめる。

 

活躍

那田蜘蛛山を縄張りとし、適当な鬼を集めては『家族』と称する群れをつくり、暴力と恐怖で取りまとめていた。

 

そんな累の思想と真っ向から対立した竈門炭治郎と交戦し、下位とはいえ十二鬼月に位列される実力を以て大いに苦しめた。

 

危機に陥った兄を守ろうと身を挺した竈門禰豆子の姿に「本当の絆」と感動を覚え、彼女を妹にしようとする累に竈門炭治郎は激昂。
命がけの猛攻撃で累を追い詰め、兄妹の絆が具現化したヒノカミ神楽と禰豆子の血鬼術『爆血』により、累の頚は刎ねられた。

 

――ようにみえたが、実際は攻撃が届く前に累自身が頚を斬っており、二人は最大の危機に陥ってしまう。
しかし間一髪で駆け付けた鬼殺隊の水冨岡義勇によって、自身の最硬度の糸をあっさりと切られ、動揺しつつも次の攻撃を繰り出そうとした刹那の瞬間には頚を刎ねられてしまい、ようやく絶命。
炭治郎と禰豆子は事なきを得た。

 

それまで苦戦しながらも鬼を倒してきた炭治郎達が死力を尽くし奥の手や新能力を発揮しても倒せないなど、十二鬼月の格の違いをまざまざと見せつけ、それを容易く葬る柱の強さを表現する相手にされるなど、作中における力関係を端的に見せる役を勤めた鬼ともいえる。

 

鬼の家族構成

「蜘蛛鬼一家」を参照。

 

能力

血鬼術『糸』

 

手から出す糸は生きているように自在に動き、敵を切り刻む鋭い刃にもなると同時に、鋼鉄並みの硬度を誇る攻防一体の武器となっている。
全力を込めていない普通に繰り出している程度の糸でも、炭治郎の日輪刀を折ることができ、「下弦の伍」の称号に違わない、並の鬼殺隊士では到底歯が立たない強敵として描かれている。

 

刻糸牢(こくしろう)

蜘蛛の巣状の糸で相手を包囲し、切り刻む。

 

殺目篭(あやめかご)

刻糸牢より狭い篭状の空間に相手を閉じ込め、確実にとどめを刺す。

 

刻糸輪転(こくしりんてん)

竜巻のごとく渦を巻く最硬度の糸が相手に襲い掛かり、跡形もなくバラバラにする。

 

過去

人間であった頃の名は綾木(あやき)累。
父(CV:立花慎之介)、母(CV:桑谷夏子)との三人家族だった。
生まれつき身体が弱く、立って歩くのもままならないほどであったが、無惨の血により鬼と化し強靭な身体を手に入れる。
しかし喜んだのは累本人だけ。
父も母も、日の光に当たれず、人を喰らわねばならない業を背負った我が子の姿に嘆き悲しむのみだった。

 

そしてある日、実際に人を殺して喰っているところを両親に見られてしまう。母は泣き崩れ、父は慟哭しながら累を殺そうとしたため、彼は両親を手にかけた。
「俺たちの絆は偽物だった」と自分を納得させようとしていた累だったが、まだ息のあった母は「丈夫な体に産んであげられなくて・・・ごめんね・・・」と詫びながら事切れた。
累は愕然となる。そういえば先刻は怒りのあまり理解できなかったが、父も「大丈夫だ累一緒に死んでやるから」と言っていた。父も母も、我が子の罪を共に背負い、死ぬつもりだったのだ。気付いた時にはもう遅かった。
彼は自分自身の手で、本物の絆を切ってしまったのである。

 

そんな累に無惨は悪魔のごとく囁く。
「全てはお前を受け入れなかった親が悪いのだ 己の強さを誇れ」と。
自分が悪いのだとわかっていても、もはや彼にはその言葉にすがりつくしか術はなく、父母恋しさの代用品として偽りの『家族』を作っても、虚しさは深まるばかり。
人間の頃の記憶が薄れてゆくにつれ、自分が何をしたいのかも次第に分からなくなっていった。

 

そして義勇に頚を刎ねられて敗北し、炭治郎の温かく陽の光のように優しい手に触れられた時、人間だった頃のこれらの記憶を思い出す。

 

「全部僕が悪かったよう ごめんなさい」

 

「でも山ほど人を殺した僕は地獄行きだから、父さんや母さんと同じところへはいけない」と悔やむ彼の前に、両親の魂が現れた。
「一緒に行くよ 地獄でも 父さんと母さんは累と同じところに行くよ」と、生前と変わらず優しく微笑む二人。人間の姿に戻った累は、滂沱の涙を流して繰り返し謝りながら、父母の魂に抱かれつつ地獄の炎に焼かれて、両親と共に地獄に堕ちていった。

 

ちなみに無惨にとって累は割とお気に入りの存在だったらしく、月に何度か彼の所に赴いては言葉をかけてやり、鬼達が徒党を組む事を阻む習性を故意に与えていながら、この『家族ごっこ』を容認したりと、下位の鬼としては異例の特別扱いをしている。
これは後に、幼少期からの虚弱体質や『父母の代用品を求めている』『気に入らない代用品は捨てる』といった累の幼稚性など、彼自身に重なる部分があったからだろうとファンの間で考察されている。

 

その他

アプリゲーム『白猫プロジェクト』におけるコラボイベントでは、同イベント内のラスボスとして登場。
時系列としては義勇によって絶命した後の物語となっている。

 

白猫の世界の悪しき鬼であるクロタケが奪った、「鬼門のルーン」というアイテムによって白猫の世界で復活を果たしたが、これは炭次郎の過去の記憶を読み取って再現された幻が実体化した存在なので、厳密には本人が直接復活した訳ではない。
この為、復活後に対峙した炭次郎達の事を朧げにしか覚えていない。
自身を復活させたクロタケの事は眼中になく、それどころか「弱いやつと一緒にいるのは本当に不愉快だった」とまで吐き捨てる始末で、最終的には彼を抹殺して鬼門のルーンを奪い取り、完全復活を果たす。

 

今回の戦いで義勇は近隣の村を白猫世界の冒険家達と防衛していたので不在だったものの、白猫世界の主人公や伊之助達の参戦もあり優勢な戦況から少しずつ押し返されていく。
ついに敗北一歩手前にまで追い詰められた累は、かつてのように自分で頚を刎ねて事なきを得ようとするも、過去の戦いよりも格段に強くなっていた炭次郎がそれを見逃す筈もなく、最期は「ヒノカミ神楽円舞」によって頚を刎ねられ敗北。
原作にはないゲームオリジナルのストーリーではあるが、義勇の助太刀がない状況下で炭次郎は累に打ち勝つという快挙を成し遂げた。

 

 

 


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