時透無一郎(ときとうむいちろう)

 

時透無一郎とは、漫画・アニメ『鬼滅の刃』の登場人物である。

 

プロフィール

階級 (霞柱)
誕生日 8月8日
年齢 14歳
身長 160cm
体重 56kg
出身地 景信山(現・東京都八王子市と神奈川県相模原市の境界)
趣味 紙切り、折り紙(死ぬほど飛ぶ紙飛行機を作れる)
好きなもの ふろふき大根
CV 河西健吾

 

概要

吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』の登場人物。

 

鬼殺隊の頂点に立つ剣士「柱」の一人。
「霞柱」の二つ名を持ち、柱の中では最年少。
茫洋とした性格で、炭治郎が斬首されるかどうかという「柱合裁判」の緊迫した場においてさえ、「あの雲の形、何て言うんだっけ」などと関係ないことばかり考えており、「すぐに忘れるから」という理由で炭治郎たちの処遇については興味のなさそうな様子であった。

 

そんな彼もお館様の前では他の柱同様に礼節を尽くしており、不死川実弥と一悶着起こして退席しようとしない炭治郎には、「お館様のお話を遮ったら駄目」と指弾術らしき技で玉砂利を浴びせて追い払った。

 

人物

行動基準は自身の考える優先事項に基づいており、それを邪魔する者に対しては相手が何者だろうと容赦のない言動を取り、場合によっては実力行使も辞さない。
「一人を守って時間を浪費するよりも、数十人の命を守る方が先」・「責任の重い柱とそれ以外の人間との時間の重さは平等ではない」と言った冷静で合理的な思考をする反面、物言いに遠慮や気遣いが無く、人との接し方に難がある。炭治郎曰く「正論だけど配慮に欠けていて残酷」。
ただ、これらの言動はあくまで「鬼の魔の手から人命を守る」という鬼殺隊の理念に則ったうえでのものであり、自己中心的・利己的な性格というわけではなく、匂いで感情を読み取る炭治郎も悪意を一切感じることはなかった。いささか過激な一面こそあるものの、無辜の民を守る鬼殺隊としての使命感・正義感は強く、鬼の攻撃から非戦闘員を庇う際には躊躇いなく自身を盾にするなど、幼いながらも鬼殺隊の柱として相応しい人物。

 

また、お供の鎹鴉によると、日の呼吸の使い手の末裔であるらしく、その実力は未だに未知数。

 

一方で、過去に何らかの理由によって記憶喪失となっており、さらに頭に霞がかかったように物事をすぐに忘れてしまう後遺症を負っている。
柱合会議での炭治郎の処遇についての態度も、どうでもいいからというよりは本当に忘れてしまうためだったと思われる。
そのため「失った記憶は必ず戻る 心配いらない」と励ましてくれた産屋敷の存在を心の支えにしており、彼が認めてくれた柱としてその責務を果たすという意思がとても強い。
炭治郎との会話のとあるやり取りで一瞬年相応のリアクションを見せ動揺したこともあり、彼の一見すれば冷たい性格は、記憶を失ったことによる副作用かもしれない。
また、これも記憶喪失の影響か一人称が「僕」と「俺」で安定せず、時折急に口調が荒々しくなる場面も見受けられる。

 

容姿

腰に届くほどの髪を伸ばした小柄で中性的な少年。
髪色は黒から毛先にかけて青のグラデーションになっている。
ロップイヤーのような妙な髪型だが、ツーサイドアップなのか、そういう癖なのかは不明。
瞳は淡い青で虹彩がハッキリとせずぼんやりとしている。

 

能力

宇髄天元によれば、刀を握って二ヶ月で柱まで昇格した天才剣士。
生来の天才肌ではあるが、その才能を十全に活かすための鍛錬は欠かさず、華奢な見た目とは裏腹に柱の称号に相応しく身体は極限まで鍛えぬかれ引き締まっている。
本人の気性からか無駄を嫌い、鍛錬にしても剣筋にしても効率よく最適な動作で無駄のない行動を好む。

 

全集中 霞の呼吸

霞の呼吸は風の呼吸から派生した呼吸であり、日輪刀の色は白色となる
攻撃の際には霞みがかった霧の様なエフェクトが描かれる

 

壱ノ型 〜 陸ノ型

詳細は霞の呼吸の項を参照。

 

漆ノ型 朧(おぼろ)

無一郎が独自に開発した型。現れる際は亀のように遅く、消える際は瞬きする一瞬の間にと、緩急自在の足運び。
あまりの緩急に相手は霞に巻かれているかのような錯覚を覚える。

 

装備

鬼殺隊士の基本装備として日輪刀と隊服を支給され、鎹鴉をあてがわれている。

日輪刀

詳細は個別記事を参照。
柄は緑、鍔は金縁の四角を重ね合わせたデザイン。
霞の呼吸の白い刀身に柱の刀特有の「悪鬼滅殺」の文字が彫られている。

 

刀匠は鉄穴森だが、元々の担当は鉄井戸(てついど)という老人。
鉄井戸は無一郎を柱の剣士としてではなく、家族も記憶も失った天涯孤独の子どもとして扱い、その境遇を理解し未来を案じていた。自身の老い先が短いことを悟って後の担当刀鍛冶・鉄穴森へ手記を遺していた。

 

隊服

柱の中では珍しく鬼殺隊共通の背中に「滅」の字を背負った隊服をそのまま着用しており、脚絆も装着していない至ってシンプルな出で立ち。サイズが大きく少々ダボついている。
公式ファンブックによれば、大きめの隊服を着ているのは、手の長さや向き、関節の向きなど体の形をわかりづらくすることで、間合いや次の動作も敵に悟らせないためとのこと(実際、合気道の袴なども足の動きを隠す機能がある)。

 

鎹鴉

鎹鴉の中では珍しい雌鴉で、名前は「銀子」。
マツゲが長い。
主人である無一郎に対してモンペのような愛情を向けており「アノ子ハ天才ナノヨ!!アンタ達トハ次元ガ違ウノヨ ホホホホ!!」とウチの子自慢を繰り広げ、無一郎が日の呼吸の使い手の子孫であることを炭治郎に明かした。
炭治郎の鴉とはすこぶる仲が悪く、「したっぱ」と罵るのに対し「まつ毛ブス」と言い返されており、匂いで感情を読み取れる炭治郎からは「(無一郎と比較した上で)あの鴉は全力で悪意あるな…すごい下にみてる俺を」と語られていた。
記憶の遺伝について語る炭治郎を「非現実的ィ」と真っ向から否定したが、言葉を話す鴉の方がよっぽど非現実的である。

 

過去

希代の天才剣士である無一郎だが、生まれは剣士でも何でもなく、杣人で生計を立てていた。人里離れた山の中に住むごく平凡な家庭だった。
しかし、無一郎が10歳の時に事故や病で父母が相次いで亡くなってしまう。
11歳にして両親を失ってしまった無一郎は、その後唯一残った肉親である双子の兄・有一郎とともに暮らすことになった。

 

兄は無一郎と瓜二つの外見をしていたが性格は正反対で、言葉がきつく冷酷だった。
「情けは人のためならず 誰かのために何かしてもろくなことにならない」
「人のためにすることは巡り巡って自分のためになるって意味だよ」
批判する兄を弟が嗜める。この会話は106話での炭治郎とのやりとりと酷似しており、無一郎の動揺はこの過去に触れたためと思われる(結果的にこの言葉がきっかけで小鉄を救うこととなり、記憶が甦る道筋を作った)。

 

双子の家を産屋敷あまねが訪ね、自身の家系を「始まりの呼吸の子孫」であると伝え鬼殺隊に誘うが、有一郎が追い返す(余談だが、他の隊士達は基本的に自ら志願して鬼殺隊に入隊しており、産屋敷自らが勧誘にくるのは異例)。
無一郎は話に乗りかけるも、有一郎は激高。双子は次第にすれ違い、口を聞かなくなってしまう。その後も足繁く通うあまねを有一郎が追い返し続け、ある日、彼女に水を浴びせたことで喧嘩したのが時透兄弟の最後の会話となった。
夏の熱帯夜に戸を開放していた双子の家を鬼が襲撃した。兄に致命傷を負わせた鬼の「いてもいなくても変わらないようなつまらない命なんだからよ」の言葉に未だかつてない激しい怒りを覚えた無一郎は我を忘れ恐るべき力で鬼を返り討ちにする。日が明けるまで応戦した結果、日光により鬼は消滅。
有一郎は今わの際で弟の無事と安寧を神仏に祈り、「無一郎の無は無限の無」という言葉を残し逝った。そして無一郎は産屋敷に救護されるまで、目の前で最愛の兄に蛆が湧き腐っていく様を自分の体にも蛆が湧きながら死の淵で見続けた。
この出来事で心身ともに深いショックを受けた無一郎は記憶喪失となり、更に新しいことを覚えていることもままならない状態となってしまった。
そのまま産屋敷家に保護され、上述したように鬼殺隊に入って僅か二ヶ月という驚異的なスピードで柱となった。それは天賦の才能に加え記憶を失ってなお煮えたぎる怒りによって、包帯も取れない重傷の身で血反吐を吐く程自分を鍛えて叩き上げたからである。

 

記憶を取り戻した無一郎はかつて記憶喪失だった頃の自分を有一郎に似ていた気がすると語っている。過去回想の際に初め自分は一人っ子であったと思い込んでいた節があるため、有一郎と自分を同一視していた可能性がある。
本来の彼は、他人のために無限の力を引き出すことができる優しい性格をしており、そういう意味では炭治郎と似た性格であると言える(118話ではそんな彼の過去や本来の性格が明らかになり、覚醒して炭治郎と似たような痣を発現させたため、まるで主人公のようだという感想が多く散見された)。
記憶を取り戻した後でも無一郎の一人称は「俺」と「僕」で混在しているが、以前のような不安定さは見られず、双子どちらの要素も併せ持つ性格となった。
また、記憶を取り戻した後は瞳にハイライトが描かれるようになっている。

 

無一郎の父親は炭治郎と同じ「赤い眼」をしており、外見も似ているため、時透家と竈門家には何らかの繋がりがあるのではないかと言われている(ただ、炭治郎の瞳が日輪のような形なのに対して、時透父は日食のような形をしている)。

 

 

 


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