不死川実弥(しなずがわさねみ)

 

不死川実弥とは、漫画・アニメ『鬼滅の刃』の登場人物である。

 

プロフィール

階級 (風柱)
誕生日 11月29日
年齢 21歳
身長 179cm
体重 75kg
出身地 東京府 京橋區(現:中央区 京橋)
趣味 カブト虫を育てる
好きなもの おはぎ
CV 関智一

 

概要

吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』の登場人物。

 

鬼殺隊の最上位の剣士集団たる「」の一人。
「風柱」の二つ名を持つ。
産屋敷邸で鬼である竈門禰豆子の処遇を巡る裁判の際、箱の外から彼女を刺して傷を与え、自らの腕を切って血を流し、禰豆子を挑発して鬼の醜さを証明しようとした。
だが彼女が強靭な意志でそれを拒絶したため、逆に禰豆子が人を喰わない鬼であることを証明する形となり、やむなく引き下がった。

 

人物

血走った目つき、無造作な白髪、顔面も体中も傷だらけという凶悪な面相。

 

言動も短気で荒々しいため鬼殺隊内で最も隊士から恐れられている。
しかし見た目と粗暴な態度とは裏腹に、目上には敬意を払い、規律にも厳格で他の柱との協調性も持ち合わせる(公式ファンブックによると、舐められないようにするためと周囲を突き放すために敢えてそうしている模様)。
当主であるお館様の前では礼節を弁え、理知的で恭しい言葉遣いで接し、その姿を見た炭治郎に「知性も理性もなさそうなのに」と驚かれた。
粗野ではあるが考え方は理性的で常識的な面もあり、彼を怖れる隠の前田も公私混同を非難されているだけで、筋は通っている。
外伝では柱合会議に代理参席する甲の煉獄を煽る物言いをしたが、言っている意味は普通に激励であった。

 

しかしそんな性格を以ってしても、鬼に対する並々ならぬ憎悪は押さえきれないようで、上述の件もあって炭治郎とは反りが合わず、竈門兄妹が鬼殺隊に大きく貢献したという殊勲を上げた後も見方は変わらぬまま認めなかったが、裁判以降は禰豆子を積極的に殺そうなどとはしていないため、彼女のことは人を喰わない鬼として一応認めているようである。

 

炭治郎の同期である不死川玄弥の兄であるが、それを頑なに認めようとしない上、ことあるごとに自身に迫る玄弥を拒絶するような態度を取り続ける。

 

能力

全集中 風の呼吸

鬼狩りの剣士が鬼の頚を狩るために用いる“全集中の呼吸”の流派の中でも基本となる五大流派の一つ。
暴風のような動きから鎌鼬のように斬り刻む。

 

現在、壱の型から捌の型まで登場している。

 

喧嘩殺法

生来の気性の荒らさに加えて、入隊までの経緯によってイレギュラーな戦闘に対する経験値が高いため、地形・状況を含めた全ての変化に臨機応変な対応を取れる。
ある程度の流血=負傷をも織り込んだ戦法を長くとっている故か痛みへの耐性が高く、フィジカル・メンタル両面において立て直しも利く。
(ちなみに不死川兄弟の父親は身体が大きい上にかなり頑丈であり、更に第200話でのやり取りから息子である彼らも、その要素をしっかり受け継いでいる模様)

 

装備

鬼殺隊士として、日輪刀と隊服を支給されている。
実弥は隊服の胸元を大きく開けており、その上から(「鬼は皆殺し」という意味を込めて)大きく「殺」と刻まれた白い羽織を着用している。

 

日輪刀

別名“色変わりの刀”と呼ばれ、持ち主によって刃の色が変わる。
実弥の刀の色は深い緑で、彼が風の呼吸に高い適性を有している事を示している。
鍔は八つの菱形が円形に組まれた、風車を思わせる形状をしている。
また、実用性重視の日輪刀には珍しく、波打ち渦を巻く風のような刃紋が焼き入れらている。
鞘は黒地に荒傷が入ったような外見をしているが、模様として元々付いているものなのか、度重なる戦闘によって付いたものなのかは定かではない。

 

過去

彼は七人兄弟(玄弥以外の下の兄弟達の名前は、「寿美」・「貞子」・「こと」・「就也」・「弘」と表記されている)の長男であり、家族仲は父を除いて良好だった。
父は妻子に暴力をふるうようなろくでなしで、人の恨みを買って刺殺されるが、実弥と玄弥は「自業自得」と一蹴、二人で力を合わせて母の志津や弟妹達を守ろうと誓い合う。

 

ある夜、志津の帰りが遅く実弥が捜しに行っている間に、玄弥達に正体不明の獣のような影が襲いかかる。
弟妹はたちまち血の海に倒れ、戻ってきた実弥はその獣と共に屋外に飛び出して無我夢中で戦うが、その獣の正体は鬼となった志津であった。さらに夜明けの陽が昇ったところで、医者を呼びに外へ出た玄弥と遭遇してしまう。
返り血を浴びて呆然と立ち尽くす兄と、倒れ伏す母親の様子を見て動揺した玄弥は、実弥を「人殺し」と罵倒する。そして玄弥に抱きかかえられた志津の身体は、陽光を受けて崩れていった。
弟妹五人も即死しており、実弥と玄弥は一夜にして何もかも失ってしまった(なお、二人の顔に走る大きな傷痕は、この時に付いたものである)。

 

(柱合裁判の際に最も禰豆子や炭治郎に反発したのも、この出来事が原因であると思われる。
また炭治郎に関しては「悪い鬼と良い鬼との区別がつかなければ柱などやめてしまえ」と言われており、このことが理由か、炭治郎との折り合いは非常に悪くなってしまっている)

 

その後、二人の間にどのような会話が交わされたかは定かではないが、この一件を機に玄弥との間には大きな溝ができてしまい、実弥は「弟などいない」と周囲には語るようになり、玄弥が直接訪ねてきた際も「テメェみたいな愚図 俺の弟じゃねぇよ 鬼殺隊なんてやめちまえ」と冷たく当たり、突き放すようになる。
そして玄弥は「兄に過去の暴言を謝り、そして認められたい」「兄の側で兄を守りたい」という思いから、一刻も早く兄と同じ柱になれるだけの手柄を得たいがために、常に焦りに駆られ、そしてついには禁忌を犯すことも厭わなくなった。

 

禰豆子が人を食わない事に三人もの命をかけて保証されても、頑なに聞き入れようとしなかった態度には、この母親との過去が見え隠れしている。

 

「俺の血の匂いで鬼は酩酊する 稀血の中でもさらに稀少な血だぜ 存分に味わえ!!」

 

鬼にとって御馳走である稀血を持つ事が、167話で判明。
しかも彼の血はその中でも群を抜いた「稀血の中の稀血」。
その血を嗅いだ鬼は、人が泥酔したかのような症状に陥る。
そのため、彼にとって負傷とはカウンタートラップでもある。

 

(この事実の発覚により、かつて彼の血を間近で嗅がされそれに耐えた禰豆子の精神力の強さと、あれだけ異を唱えた柱達が、何故一度の実験のみで納得したのかが判明。図らずも彼自身が、禰豆子が人を襲わない鬼であることを最も証明した)

 

鬼になった母が自分が出血した途端に動きが鈍くなった事で自分の血が特別だと気付き、家族を失ってから鬼殺隊に入るまでは、この血と天賦の才を以て日輪刀も無しに鬼と戦い、捕縛しては日光に当てると言う無茶なやり方で独自に鬼を狩り続けていた。
柱でありながら身体中傷だらけであったり、自分の腕を切ることに一切の躊躇いも躊躇もなかったのは、まだ鬼殺隊に入る前の時から自らの血を用いて鬼を滅殺していたため。
(しかも、古傷が癒える前にまた新しい傷をつくるものだから何時までも治らない。)
※また、描写は無いものの蜜璃の「傷が増えて素敵」という言葉から、彼は今でも自らの意思でこの血を使っている可能性が高い。

 

そうやって野良の鬼狩りとも言うべき行為を続けていく内に粂野匡近という名の鬼殺隊士と出会い、育手を紹介され鬼殺隊に入る事になった。
過去の項にもある通り、仲間意識や情に厚く、特に匡近からは弟の様に思われていたこともあってか実弥も強く信頼していたらしい。
それゆえに、風柱になった当初は、安全な場所から命がけで戦う隊士に命令するだけの『お館様』に対して強い敵愾心を持っており、匡近と共に"下弦の壱"の鬼を討伐した際に匡近だけが戦死したこともあって、対面するなり暴言を吐いて他の柱から顰蹙を買った。
その後、産屋敷から匡近の遺書を渡されたことと、彼自身は戦えない代わりに、戦死した者も含め隊士一人一人のことを覚えて忘れずにいたことから、考えを改めて敬服するようになった。
また、自身にとって大切な人間の死に対して呆然自失に陥ったり号泣したりと繊細で脆い部分もあり、その本質は非常に優しい人間である。

 

ちなみにこの後、悲鳴嶼、宇髄、カナエから産屋敷に暴言を吐いた件について、ガミガミ叱られてしおしおとしている様子が、21巻おまけページで描かれている。この経緯もあってか悲鳴嶼には頭が上がらないようだ。

 

無惨の本拠地である無限城での全面対決において、十二鬼月最強の鬼である"上弦の壱"・黒死牟と遭遇してしまい、窮地に陥った無一郎と玄弥の前に現れる。
この際、なぜ玄弥に対し辛く当たり、なおかつ自分から遠ざけようとしていたのかを告白する。
その本心は「どこかで所帯を持って家族をたくさん作って爺になるまで生きて、母親や弟や妹の分も幸せになって欲しい」という純粋に弟を想う兄心故のものであり、頑なに鬼殺隊を辞めさせようとしていたのもそのためであった。
炭治郎は匂いでその事を悟っていたようで、柱稽古において悲鳴嶼の下での修行で玄弥と会った際に「鬼殺隊に入ったことをすごく怒ってはいた」「でも憎しみの匂いは少しもしなかった」と彼に告げて、激励していた。

 

上記に書かれている鬼を殺す事への並々ならぬ執念も、それまで散っていった仲間達の命と想いを無駄にしないため、そして大切な家族達のうちの一人である弟が幸せに生きられる世界を作るという強い信念から来ており、それが現在の彼を形作っている。

 

無限城崩壊後は悲鳴嶼と共に現れ、皆と合流した。
無惨との決戦の最中に義勇と互いの日輪刀を打ち合わせる事で赫刀を発現させるも、無惨の全方位攻撃によって重傷を負わされ、一度は戦闘不能にされてしまう。
それでも他の仲間達と同様に立ち上がり、激闘の末に無惨を倒すが、その後の真の最終決戦には疲労困憊で眠っていため、参戦できなかった。

 

戦いの終結後は、最後の柱合会議を終えた後に禰豆子とバッタリ出会う。
そこでかつて彼女に対して行った暴挙や、炭治郎が鬼化した時にはずっと眠っていたせいで参戦できなかった事を、気まずそうに詫びる。しかしそれら全てを何でもない事の様に笑顔で受け止める禰豆子に、幼い頃の玄弥の面影を重ねながら、母親そっくりの穏やかで優しい微笑みを浮かべ、禰豆子の頭を撫でた(ちなみに頭を撫でられた禰豆子は、実弥の微笑みに赤面している)。
その後は「元気でなァ」と告げながら、何処へと去っていった。

 

最終回では、子孫か生まれ変わりのどちらかは定かではないが彼と瓜二つの警察官が登場し、玄弥の生まれ変わりの後輩警官と共に地域住民からの通報を受け、毎朝のようにパルクールで登校する竈門炭彦を、パトカーで追跡し補導しようとしている。

 

ラストシーンの大正時代の鬼殺隊集合写真では、宇髄に肩を抱かれながら一人だけ笑わずに、しかめっ面で横を向いていた。

 

 

 

 


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